マイクロスコープの虫歯治療（歯髄温存療法）
マイクロスコープの虫歯治療（歯髄温存療法）｜経堂の歯医者｜経堂駅から徒歩2分の歯医者｜経堂 竹森デンタルクリニック
〒156-0052東京都世田谷区経堂1丁目18-12 VICビル6 1階
03-5450-4811
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マイクロスコープの虫歯治療（歯髄温存療法）
マイクロスコープを用いた虫歯治療は、従来の「感覚に頼る治療」から、「科学的根拠に基づいた精密な治療」へと進化させるものです。
歯をできるだけ削らず、再発を防ぎ、長期的に安定した状態を維持するためには欠かせないアプローチです。当院では「自分が受けたい治療、大切な人に受けてもらいたい治療」を実現するために、マイクロスコープを駆使した精密虫歯治療を行っております。
マイクロスコープ（歯科用顕微鏡）は、歯科治療において肉眼では見えない微細な部分を数倍から20倍以上に拡大して観察できる装置です。医科領域では脳神経外科や眼科手術で用いられていることからも分かるように、非常に繊細で精度の高い治療を実現するために欠かせない機器です。
歯科治療は「ミクロン単位の精度」が求められる医療でありながら、従来は肉眼やルーペに頼った治療が主流でした。その結果、虫歯の取り残しや、逆に必要以上に歯質を削ってしまうリスクがありました。マイクロスコープの導入により、これらの課題が大きく改善され、歯をできるだけ長く守る治療が可能となっています。
1. 見えないものは治せない
虫歯の感染部位は非常に小さく、また色調や硬さのわずかな違いで健全な歯質との境界を見極める必要があります。肉眼ではどうしても限界があり、経験や感覚に頼らざるを得ない部分がありました。マイクロスコープを用いることで、「どこまで削るべきか」「どこを残すべきか」を確実に判別することができ、不要な削除を避けつつ、虫歯を確実に取り除くことが可能になります。
2. 歯を削る量を最小限に
歯は一度削ってしまうと二度と元に戻りません。特に神経に近い部分を大きく削ると、歯の寿命を大幅に縮めてしまいます。マイクロスコープによる高精度な治療は、「削るべき最小限」だけを選択的に除去することを可能にし、歯の寿命を最大限に延ばします。
3. 虫歯の取り残し防止
従来の治療では、感染が残っているかどうかを感覚や染色剤に頼って判断していました。
しかしわずかな取り残しがあると、数年後に再発して再治療が必要になることがあります。マイクロスコープでは、感染象牙質の色や質感を鮮明に観察できるため、取り残しなく確実に除去することが可能になります。
再発リスクの低減
虫歯の取り残しを防ぐことで、再治療のリスクを大幅に減らせます。
歯の寿命を延ばす
必要最小限の削除で済むため、歯を長持ちさせることができます。
精密な仕上がり
詰め物や被せ物の適合精度が高まり、長期的に安定した状態を保ちやすくなります。
多くの歯科医院では、依然として肉眼や拡大鏡（ルーペ）での治療が一般的です。もちろん、それでも日常診療は可能ですが、「より長持ちする治療」「再発の少ない治療」を目指すためには、視野の正確さが不可欠です。
マイクロスコープは全国の歯科医院の数％しか導入されていないと言われており、さらに日常的に活用している医院は限られています。
当院では、虫歯治療から根管治療、歯周治療、インプラント治療に至るまで、幅広くマイクロスコープを活用し、精密治療を標準化しています。
歯髄温存療法（Vital Pulp Therapy：VPT）とは、虫歯が神経（歯髄）にまで達した場合でも、可能な限り神経を残すことを目的とした治療法です。
従来は、虫歯が深く進行して神経に炎症や感染が及んでいると、ほとんどの場合「神経をすべて取り除く根管治療（抜髄）」が行われてきました。確かに根管治療によって痛みは改善しますが、神経を失った歯は「栄養供給を失った枯れ木」のようになり、時間の経過とともに脆く、割れやすくなってしまいます。その結果、最終的には歯を失うリスクが高まるのです。
一方で歯髄温存療法は、感染の及んだ部分だけを取り除き、残りの健康な神経を保存することで、歯の寿命をできる限り延ばそうとする治療です。
1. 歯の寿命を大きく左右する「神経の有無」
歯の神経は単に痛みを感じるための組織ではありません。神経を含む歯髄は、歯に血液を供給し、栄養や水分を送り届ける重要な役割を担っています。神経を残すことで歯の強度が維持され、破折のリスクが大幅に低減します。つまり、神経を残せるかどうかは、その歯の寿命を決定づける最も大きな要素のひとつなのです。
2. 再治療のリスクを減らす
根管治療を行った歯は、詰め物や被せ物の下で細菌感染が再発しやすく、数年後に再治療が必要になることがあります。歯髄を残すことで再感染のリスクを減らし、結果的に治療回数を少なくすることにもつながります。
3. 歯の自然な感覚を守る
神経が生きている歯は、噛んだときの感覚や違和感を繊細に感じ取ることができます。これは異常の早期発見にもつながり、長期的に歯を守るうえで非常に有益です。
歯髄温存療法にはいくつかの方法があります。虫歯の進行度や炎症の範囲に応じて適切な方法を選択します。
虫歯を除去した際にわずかに神経が露出した場合、その部分に薬剤（MTAセメントなど）を置き、封鎖することで神経の保護と治癒を促す方法です。
神経に近接する深い虫歯をすべて取り除くと神経が露出する可能性が高い場合、一部の感染していない象牙質を意図的に残し、その上から薬剤で保護する方法です。
神経の一部に炎症がある場合、その炎症部分のみを切除し、残りの健全な神経を保存する方法です。特に若年者の歯や、外傷歯に有効とされています。
歯髄のうち、歯冠部（歯の頭の部分）の神経をすべて取り除き、根の中の神経だけを保存する方法です。乳歯や若年永久歯で行われることがあります。
近年、歯科材料や治療技術の進歩により、歯髄温存療法の成功率は大きく向上しています。特にMTA（Mineral Trioxide Aggregate）やバイオセラミック系の覆髄材の登場によって、神経の治癒と歯髄保護が飛躍的に改善しました。
研究報告では、適切な症例選択と無菌的処置を行った場合、歯髄温存療法の成功率は80〜90%以上に達するとのデータもあります。これは、従来の「虫歯が神経に及んだら抜髄しかない」という考え方を大きく変える結果です。
当院では、歯髄温存療法の成功率を高めるために、以下の取り組みを徹底しています。
1. マイクロスコープによる精密な処置
肉眼では見えない細部の感染部位を、歯科用顕微鏡（マイクロスコープ）で拡大しながら確実に除去します。これにより「感染の取り残し」や「不必要な削りすぎ」を防ぎ、神経を残す可能性を最大限に高めます。
2. ラバーダム防湿の徹底
治療中に唾液や細菌が入り込むと、わずかな汚染でも成功率が大きく下がってしまいます。当院では必ずラバーダム（治療する歯だけをゴムシートで隔離する方法）を使用し、清潔な環境を確保しています。
3. 最新の覆髄材の使用
従来のカルシウム水酸化物に比べ、封鎖性と生体親和性に優れたMTAやバイオセラミック系材料を積極的に用いています。これにより神経の治癒が促進され、再発リスクを最小限に抑えます。
4. 十分な診療時間の確保
歯髄温存療法は非常に繊細で、短時間で行うことは困難です。当院では一人の患者様に十分な時間を確保し、焦らず丁寧に処置を行うことを大切にしています。
5. 患者様との共有
マイクロスコープは録画機能や撮影機能を備えており、治療前後の画像を患者様と共有できます。これにより、治療内容が「見える化」され、安心して治療を受けていただけます。
すべての症例で歯髄温存療法が可能なわけではありません。炎症が歯髄全体に広がっている場合や、強い自発痛が長期間続いている場合には、根管治療が必要となることもあります。しかし当院では、「神経を残せる可能性があるかどうか」を常に精密に判断し、可能性があれば最大限チャレンジすることを治療方針としています。
歯髄温存療法は、「歯の寿命をできる限り延ばす」ための大変意義深い治療です。
従来ならば抜髄となっていたケースでも、精密な診断と適切な技術により、神経を残せる可能性が広がっています。
当院では、マイクロスコープやラバーダムといった最新の精密治療体制を整え、歯を少しでも長く守るための最善の選択肢をご提案いたします。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| マイクロスコープの虫歯治療（露髄なし） | 33,000円 |
| マイクロスコープの虫歯治療（露髄あり） | 33,000円＋27,500円（MTAセメント） |
治療後はInもしくはCrの費用が別途かかります。
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